東京都東村山市 重症心身障害児(者)施設

社会福祉法人 天童会

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理事長のあいさつ

理事長のあいさつ

  • 2021/02/19 すべての技には、時がある

    「2021年よ! ようこそ」と、気持ちを切り替え、期待を込めて新しい年を迎えました。すでに、2月。コロナ後を見据え、「すべての技には、時がある」という言葉を胸に、「時のなせる技」に信頼を寄せて、「行い」を積み上げていきたいと思っています。
    昨年末本園にコロナ感染症の罹患者が出た際には、たくさんの温かい励ましをいただき、感謝に堪えません。お礼申し上げます。また、ご家族には、ご迷惑とご心配をおかけしました。紙面でお詫び申し上げるとともに、一日も早く、お目にかかれる日が来て、お詫び申し上げたいと念じています。
    これまで感染症に関しましては、インフルエンザの時期になると、病棟閉鎖をし、厳重な管理のもとに、職員の方々は、不眠不休で園生の生命を守ってきています。その姿は、さながら闘いです。近づきがたい崇高さを感じるほどです。感染症に関しては、百戦錬磨。感染した職員が一人も出なかったことは誇りです。感染症対策も緻密で、状況に応じて、多様な方策を講じていました。それでも、「コロナ」は近づいて来たのです。「コロナ」は、感染力が高く、油断ならないことを実感しました。
    おわりに、「2021年よ! ようこそ」と再掲します。明るい明日を、創るのです。子どもの育ち・発達・可能性を促す環境づくりとして整備した新事業「SLPセンター アーク」が発足し、社会福祉法人天童会は、地域社会への包括的な支援を行う法人となりました。新事業につきましては、ホームページをご覧ください。今後ともよろしくお願いいたします。

    令和3年2月                  理事長 飯野順子
  • 2020/08/07 62周年記念式典に寄せて ~希望の光に向かって歩め!

    7月23日に、62周年記念式典を執り行いました。出席者を限定し、病棟と会場をつなぐオンライン形式の式典です。式典のあいさつは、オンラインを意識して、次のようにしました。一部引用します。
     『今日は、オンラインの式典です。テレビのように、見えていますか。
    皆さんは、中庭の「倖せの像」を知っていますか。この像には「われら、四方より艱難を受くれども、窮せず」(コリント後書)と書いてあります。これは、「どんなに困難なことがあっても、負けません」という意味です。この半年間、新型コロナウイルスは、とても困難な課題として、私たちに立ち向かってきました。今日まで、私たちは、みんなで支え合って、負けていません。まだまだ油断はできませんので、もうひとがんばりです。
    「倖せの像」は、十周年の記念碑です。「みどりの芝生の中に、鳥が平和に向かって羽ばたく像をつくり、花でまわりを囲み、とびきり美しく、ひときわ映えるものにしたい」というイメージで創っています。明るい明日への希望の光に向かって歩め、ということです。そこで、「秋津の庭を楽園に」するために、「倖せの像」の周りには、赤・白・黄色・ピンクなどのバラを植えました。すると、皆さんが外出できない様子を知って、バラを寄付しましょう!と、110本のバラをプレゼントしてくださった方がいます。中庭は、あっという間に、色や香りの豊かなバラ園に変身しました。(後段省略)』
    オンライン形式の式典は、本年限りであってほしいところですが、オンライン化によって、園生と園生、園生と職員、そして園生とご家族をつなぎ、できることの可能性が見えてきました。
    次に、記念式典に際して、「重症心身障害児者の新たな療育活動を求めて~その人らしく、輝く、人生の履歴のために」を、発刊しました。この本は、重症心身障碍児者の療育活動に関する入門書が必要であると考えてのことです。本書の秋津療育園の取り組みは、長年にわたって蓄積してきた工夫や改善点なども示され、深みのある、読み応えのある内容となっています。副題は、「その人らしく、輝く、人生の履歴のために」にしました。「その人らしく」のキーワードは、本書の随所にでてきます。多分秋津療育園のバックボーンなのでしょう。また、入所している方々の人生が、キラッと輝く履歴となるように願って副題をつけました。多くの方に読んでいただき、活用されて、障害の重い方々の人生のQOLが高まるようにと願っています。
     令和2年7月   理事長 飯野 順子
  • 2020/05/29 令和2年度、今、この時は、歴史の1ページ

    秋津療育園では、12時にこんな放送が流れます。
    ・手洗い、手指消毒を徹底しましょう。
    ・窓を開けて十分な換気に努めましょう。
    ・密集しないように心掛けましょう。
    ・食事中は距離を開けて、黙って食べましょう。
    ・不要不急の外出はしないで下さい。 以上よろしくお願いします。
    4月7日の「緊急事態宣言」発出後の感染症対策委員会から出された対応策の一つです。
    職員の方々への注意喚起が目的ですが、この放送は、園生にとっては、「いつもと違う」
    雰囲気を感じたり、社会情勢や社会の動きを、聞いて知る学びの機会ともなっています。アナウンスする人の声やトーンも聞き分けているかもしれません。内容も理解して、ニュースへの興味が高まっているとも思います。更に、職員の方々が懸命に生命と健康を守っていて下さることに、思いが及んでいるかもしれません。
    今年もしだれ桜は、見事に咲いてくれました。いつもより早く咲き、癒しの桜でした。
    自然は、いつもと変わりませんが、社会状況のここ数か月の変遷は、歴史の際立った1ページとして、刻みこまれることでしょう。
    しかしながら、今、求められていることは、明るい明日です。
     秋津療育園の中庭には、桜の古木が、庭の空間を守るかのように、ぐるりと立っています。その庭に、遊歩道と花壇をつくりました。中庭の一画にある10周年記念碑「倖せの像」の周りには、バラを植えました。園生が散歩しながら楽しめるように、ストーリーのある庭にしました。テーマは、「バラと星の王子さま」です。漸次、星の王子さまのストーリーを辿ってオリエンテーリングができるようにします。そして、何よりも職員の方々が、花の色や香り、花々が風にそよぐ風景から、日頃の疲れを癒してほしいと思っています。
    花々は、雨の日以外は毎朝水撒きのボランティアさんが来て下さるので、生き生きしています。感謝です。 
    「緊急事態宣言」の解除、アフター・コロナはウィズ・コロナだそうです。これまでの日々から、多くを学び、新たな秋津療育園の生活を創りあげましょう。
                                 令和2年 5月25日
  • 2019/09/03 「楽園」を園生の日々の生活に!

    初代草野熊吉理事長は「あの子供たちに楽園をつくろう」と、一念発起して、秋津療育園を開設しています。それから、60有余年、「楽園とは・・」と、原点回帰の時と思っています。今では、「楽園」という発想は、時代とともに置き去りにされた感があります。しかしながら、園生の人生に焦点を当てると、「楽園」を日常生活の中に構築することは、使命感をもって臨むこととも思います。谷川俊太郎さんの詩「生きる」を読むと、ありふれた日常生活に、小さな幸せをみつけことのできる暮らし、それが続いているということは、「楽園」とも言えます。園生の「生きているということ」に寄り添っている職員の方々の手のぬくもりは、ささやかで当たり前のようであっても、園生のいのちをも支えているということにつながっています。その日々も、また、「楽園」かもしれません。
    生きているということ  いま生きているということ
    それは、のどがかわくということ  木漏れ日がまぶしいということ
    ふっと、或るメロディを思い出すということ  くしゃみをすること
    あなたと手をつなぐこと
    生きているということ  いま生きているということ
    泣けるということ  笑えるということ 
    怒れるということ  自由ということ
    人を愛するということ  あなたの手のぬくもり いのちということ 
     本年5月「日本重症心身障害福祉協会全国施設協議会」(水戸)において、永年勤続者(勤続十年)の表彰式がありました。本園では、10名です。10年間それぞれの持ち場において力を尽くして下さったことに、改めて「凄さ」と「感謝」の念を持ちました。その「凄さ」は、10年間に園生をありのままの受け止め、寄り添い、気づきと発見のある関係性を築いてきたことにあります。それは、染織家の志村ふくみさんが植物から色を染め出し、着物に仕立てる時の営みと共通しています。水戸の展覧会で志村さんの作品を鑑賞しながら、十年表彰の方々も、染め出した一本一本の糸を、ていねいに布に織り上げていく姿勢とテクニックを、10年間で、身に付けてきていると思いました。
    私は今まで20数年あまり、さまざまの植物の花、実、葉、幹、根を染めてきました。ある時、私は、それらの植物から染まる色は、単なる色ではなく、色の背後にある植物の生命が色を通して映し出されているのではないかと思うようになりました。それは、植物自身が身を以て語っているものでした。こちら側にそれを受け止めて生かす素地がなければ、色を失うのです。    「一色一生」 志村ふくみ(染織家)
     「色を失う」ことのない日々は、園生にとっての「楽園」です。
  • 2019/02/13 新しい秋津の森を創ろう!

    新しい年になりました。今年もよろしくお願いいたします。
    「新しい年号は『平成』です」と時の総理大臣が提示した時、「昭和」の元号を別れがたいと思いました。新しい年号の第一印象は、多くの方々にどのように映るでしょうか。
    現在準備中の「児童発達支援センター(60周年記念事業)」は、2020年10月に事業を開始いたします。その設計に携わる設計事務所が、先般事業のコンセプトを「みんなで育てる森」と提案して下さいました。「みんなで育てる森」は、次のようなイメージです。
    『土』(天童会 60年の歳月をかけて培った土壌)
    『水』(地域 家族 理解 支え 支援により土を潤す)
    『光』(園生 園生それぞれが持つ光輝く個性)
    『風』(協力者 新たな種を運んでくる)
    このコンセプトを伺った時、「秋津療育園」の「今」と「未来」に結びつけて、プロジェクト化したいと思いました。「新しい秋津の森を創ろう!」です。
    森を新しくするためには、「萌芽更新」の作業をするそうです。例えば、狭山丘陵を歩いていると、「萌芽更新中」と書いてある看板に出会います。これは、15年から20年のサイクルで樹木を伐採し、伐採した木の切り株から出てきた芽・孫生(ひこばえ)を伸ばして成長を待ち、森の若返りと活性化を図ります。更に、地表に太陽光が届くようになるため、周囲に落下していた種子や休眠していた草花が芽を出すなどのメリットもあるそうです。森が豊かになれば、海も豊かになり、魚介類の収穫量にも影響するなど、自然のサイクルも豊かになるなどの報告もあります。このサイクルが完結するには、10数年以上の時間を要します。新しい森を創るには、将来像を描き、綿密で実現可能な計画性と労力を要しますが、新鮮さと豊かさを創出することは、魅力ある作業です。
    社会福祉法人天童会では、2020年に向けた新しい事業の立ち上げに邁進していますが、「秋津療育園」の整備・充実は、更に大きな課題と認識しています。園生の日常生活のQOLを高める生活空間のあり方、可能性と個性を尊重し、知的刺激のある環境づくりをイメージしながら、その道筋を指し示すロードマップをつくることにしています。萌芽更新の精神で進めるためには、多くの方々のご意見やご協力が必要です。よろしくお願いいたします。
    平成31年2月
    理事長 飯野 順子

  • 2017/12/01 その2

    秋津療育園には、きめ細かな療育を、長年にわたって堅実に提供し続けた底力があります。療育の専門家として培った知識・技能に基づく連携・協働のチーム力があります。生命と生活が守られ、緩やかな成長・発達をしている園生には、それぞれの豊かな個性がにじみでています」と、前回の「あいさつ」に書きました。
     更に、会報(28年度)には、療育部の理念として「私たちは、細やかな目と優しい手で、重症児・者の命を守り、生活を支援し、安全・安心・安寧な生涯が送れるよう、チーム療育に努めます」と、具体的に、明記しています。
    「細やかな目と優しい手」と表現していることに、感銘を受けました。その実際との出会いは、「文化祭」にありました。その一つをご紹介します。
       
    家族とは 青空泳ぐ 鯉のよう
    秋の空 みんなの笑顔 楽しいな
    イオンズ 日本一に なってくれ
                    みのる

     「午後の時間に職員と一緒に、本人の気持ち、思ったことを俳句にしました」と、添え書きがありました。散歩しながらでしょうか、ゆっくりと、空・雲・自然の営みを楽しみながら、言葉を紡いでいる様子が浮かぶようです。「ライオンズ、日本一!」、かなえたい願いや夢があることは、生活を豊かにします。その人らしく、そして楽しい日々が送れるよう、「夢を叶える病棟を、目指している」とのことも、聞きました。そんな職員の方々の思いを実現できるよう、尽力したいと思っています。
     また、文化祭には、多くの方々のサポートがあり、展示会場が、彩り鮮やかで、魅力的になりました。長年にわたって支えていただき、心から感謝申し上げます。
     おわりに、「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」(障害者総合支援法)ことが、福祉の基本理念であると記します。この地域にあって、共生社会を目指すことも、本園に課された指針として、その実現を追い求めてゆきたいと考えています。
  • 2017/07/01 その1

     秋津療育園には、きめ細かな療育を、長年にわたって堅実に提供し続けた底力があります。療育の専門家として培った知識・技能に基づく連携・協働のチーム力があります。生命と生活が守られ、緩やかな成長・発達をしている園生には、それぞれの豊かな個性がにじみでています。これらは、創立者・草野熊吉氏はじめ歴代の理事長の方々等によって、築かれてきました秋津療育園の歴史・伝統・文化そして理念そのものです。

     この度、長年の念願でありました児者一貫制度に関して、「医療型障害児入所施設等と療養介護の両方の指定を同時に受ける、現行のみなし規定を恒久化する」となりました。これまでの関係する方々のご苦労とご尽力を思い浮かべますと、感慨一入です。ただし、入所者の年齢や状態に応じた適切な日中活動を提供していくこと」が前提です。このことは、これまでの日中活動について一定の評価を得たという証明でもあります。本園におきましても、これまで以上に、一人一人の尊厳を尊重したQOLの高い日中活動の創造によって、一人一人の自己実現を図ることを指針とし、理事長としても尽力したいと思っています。
     私事になりますが、私は約50年間、教育畑を歩んで来ました。半世紀の教育・医療・福祉の歴史の流れを、現場サイドから見てきたことになります。当初、直面した課題は、「就学猶予・免除と教育の保障」に関することです。次に直面した課題は、「養護学校(当時)の医療的ケア」に関することですその歴史的経緯を通して実感したことは、障害の重い方々の医療・福祉・教育の歴史は、「実態先行・制度後追い」ということです。歴史は、時代のニーズを背景に、いつも動いています。その歴史を動かしてきたのは、常に、当事者と関係する方々のパワーと支えでした。秋津療育園は、昭和35年の頃には、武蔵野の雑木林の一角にポツンと有り、夜暗闇の林の中に見える裸電灯、それが秋津療育園の象徴だったと書かれています。一隅の灯りは、遍く世を照らす、世の光として、ご家族の方々の心に寄り添い、障害の重い方々の人生の導き手として、その存在感を世に認められてきたと感じています。
     今後も地域社会とのつながりを拡充し、世を照らす施設として、社会貢献を目指したいと考えています。
     「実態先行・制度後追い」の歴史の道を拓いてきた方々に、尊崇の念を込め、関係する方々のご指導をお願いしまして、ごあいさつといたします。



    理事長 飯野 順子
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